口淫





ギルベルトは亀頭の表面に、唇で触れるのが好きだ。まだ反応をしましていないそこにそっと唇を落とし、ちゅうと少しだけ吸い付くようにキスをする。一回、二回。それだけで何故か愛おしいと感じてしまって、くふと笑った。途端、小さなため息が聞こえてくるけれど。そんなものは聞こえない、聞こえるはずがない。
「急かすなよ」
くくっと笑って見当違いの事を言い、止める気がない意思表示をするだけ。
「たまに」
それがわかっているから、イヴァンももう文句は言わない。言ったところでどうせ、ギルベルトが反省する事も改める事もないと知っているから。
「本当に僕は愛されているのか、疑問に思うよね」
ただ意識しないままギルベルトの頭を撫で、彼が最高に楽しんでいる雰囲気にただ諦めるだけ。ギルベルトも、何度も言われ続けた言葉にはもう何も返さない。お互い日常的な戯れだと知っているから。それにギルベルトは、これ以上その戯れに気をやるつもりはなかった。
唇で触れただけで、艶を増した気のする亀頭。もっともっと綺麗にしたくて、くちゅりくちゅりと口の中に唾液を溜め、ゆっくりと舌を伝い鈴口に落としていく。口内でかき混ぜられて、白く泡立ったそれ。掌を使ってゆっくりと鈴口に擦り付けていき、それから亀頭。途端、つるりとした表面に光沢が増して、喉が鳴る。
掌に残った唾液を全体に満遍なく滑らせながら、堪らずまた亀頭に唇を落とし、今度はすぐに舌。ぐるりと舐め上げて、少しずつ膨らんできたそこにきゅっとアナルが締まった。抉られ、アナルを押し広げられ、奥をごりごり突いて気持ちよくしてくれる大事な亀頭。カリの部分が最も大事と、丁重に舌を這わしていく。
少しだけたるんだ皮を指で引き下ろし、皺の隙間までしっかりと舌先でなぞるそれが、多分イヴァンは一番好き。ここでいつもすっと息を止め、ふるりと腰を震わせるから。完全に硬くならないペニスが、それでもふっくらとその体積を増していくから。
くくっとまた、堪えられない笑みが漏れた。
掌はすでにペニス全体を撫で回し、睾丸まで到達している。そっと持ち上げて、そのたぷりとした感触に喉を鳴らして。恭しくペニスを持ち上げ、掌に置いた睾丸に吸い付く。
不思議な柔らかさのあるそれは、唇を当てただけでぷるんと震えた。たっぷりの唾液を舌に絡めながら舐めるとざらついた感触がある。その感触を口内で確かめたくて、睾丸の輪郭にそって這わせていた舌を、片方だけ持ち上げるように裏側に回し、ぱくりと口に含んだ。それだけで勝手に唾液が溢れてくる。
ざらざらした皺の一本一本に流し込むように、じゅると音を鳴らしながら睾丸をしゃぶっていると、またイヴァンの息を飲む気配がした。撫でられ続けていた頭に、少しだけ力が加わって。あやすように残りの睾丸を持ち上げ皮を伸ばし擦ると、ざりと髪が掴まれる。けれどそれは痛くない程度、イヴァンにとっては可愛い力の入れようだ。
一度口から睾丸を取り出し、どろどろになったそれにキスをして。今度は反対側、含んでまたたっぷりと唾液を絡める。そうしている間にも、やんわりと扱いていたペニスは形を変えていた。鼻先に独特な匂いを感じる。先走りが出始めたのだろう。睾丸をしゃぶるたび、鼻先に当るペニスに血管が浮き上がってきた。
こうなるともうギルベルトは、口に含みたくて仕方なくなる。肥大し熱を帯び始めたペニスを口に含み、溢れ出る先走りを啜り、たっぷりと口内に射精して欲しくて堪らなくなる。想像しただけで自身のペニスが立ち上がってくるほど。
「んぅ…イヴァンの、気持ちよくしてやるな」
自身の興奮など既にばれているだろう。それでもあくまでイヴァンのためにしていると、言葉に出してもぽっと体が火照ってしまう。それくらい、口淫が好きだ。
完全にペニスに覆い被さる前、イヴァンはよくギルベルトの顔をあげてその表情を見るけれど。相当だらしない顔をしている自覚はあるし、イヴァンはそんなギルベルトを見るのが実は好きな事も知っている。組み敷かれるのが好きなギルベルトを見て、自己満足と征服欲に浸るのが好きな事。
顎を持ち上げられて、少し屈んだイヴァンに顔を覗き込まれるとき。だからギルベルトはいつも大人しく見せ付けていた。浸ればいい、いくらでも。イヴァンに組み敷かれアナルを犯されて、嬌声を張り上げもっとと強請るくらいには、ギルベルト自身もどっぷりと浸かっている自覚があるから。
「すぐに飲んじゃ駄目だよ」
満足するまで眺めて、薄く笑って。言ったイヴァンの言葉が意味するものは、射精までしゃぶっていいという事だ。聞いた途端、多分もっとはしたない顔をしたのだろう。呆れたように前髪を撫で付けられて、それでももう意識は完全にペニスにいっている。
半分以上立ち上がったペニス。最初に唇で触れたときよりも、亀頭は大きく張っていた。鈴口に舌先を押し付けて、独特な味がすることを確認して。ゆっくりと唇を滑らせるように、亀頭を口に含んでいく。つるりとした亀頭を舌に乗せながら、カリのくびれ部分まで。口内に含んで嘗め回す。その瞬間がギルベルトは一番好きで、勝手に下半身が揺れてしまう。ここで大抵、イヴァンは足を差し出してくるから。少し厚めの靴下に股間を押し付けて、親指に裏筋が当るよう腰を振りながら。それでもギルベルトは視線を外す事はしなかった。
くびれからだらだらと流れ落ちる唾液を使って、くちくちと音を鳴らしながらペニスをしごき上げ、裏筋に舌の腹を押し付け強く舐め上げる。すると少しだけ勢いよく、先走りが飛び出てきた。口内にかかったそれが嬉しくて、くんと鼻が鳴る。
唾液は次から次へ流れ出し、すぐに手をどろどろにした。だから手を交換し、どろどろになったそれは睾丸を優しく持ち上げ擦り始めて。少しずつ、少しずつペニスを口に含む面積を広げていく。ぎゅっと喉を締めるように吸い上げながら、ずるずると音を立てて吸いながら付け根まで手を下ろし、触れた陰毛を撫で付けて。喉にごつりと亀頭が当るまで。
どうしても生理的な嗚咽感はなくならない。くっと喉を絞め、亀頭が喉に触れている事に慣れている。その間イヴァンの足に強く股間を擦り付ければ、彼もまた睾丸を持ち上げるように指を立て、それからアナルへと位置をずらす。きゅんとまた、アナルが締まった。厚い靴下の上、今度は腰が上下に揺れる。けれど今は、擬似的な挿入よりもペニスをしゃぶる方が夢中。
慣れ始めた喉に亀頭を押し付け、ごくんと飲み込むように喉を絞めれば、すぐにイヴァンの息が荒くなった。じゅるじゅると派手な音を立て、ごくごくと喉を動かすたびに先走りが流れ始める。それがただ只管に気持ちがよくて、腰を振ることも忘れてペニスを扱き、唾液と先走りでべたべたになったそれに吸い付いて。
「んぅ、んっんっ、んっ!」
勝手に漏れてしまうくぐもった声は、けして酸素が足りないからではない。気持ちがいいからだ。いまや完全に張り出したカリが口内から唾液を掻き出していく。亀頭がごつりと喉に当った。唇には浮き出た血管を流れる、どくどくとした血の感触が伝わってくる。口の中が熱で溶けてしまいそうだ。
それが。自身によって高められ、無防備に打ち震えているこれがギルベルトは好き。口淫が好きな理由。アナルに挿れられ射精されるのも好きだけれど、よりいっそうセックスをしているという実感があるけれど。その時はギルベルト自身が快感に身を震わせて喘ぎ、イヴァンが感じているかどうかなどよくわからないから。口の方が、ずっとイヴァンを身近に感じた。
やがて擦っていた睾丸がぶるぶると震えだす。吐き出される分泌液が増え始め、射精が近いことを教えてくれる。
本当は、喉に精子を吐き出される方が好き。直接流し込まれ、精子の熱を奪わないまま飲み込む方が好きだけれど。イヴァンは飲むなといったから、しぶしぶ喉から亀頭を離す。離して、サオを強く扱き上げながらまた裏筋を刺激して、鈴口を吸う。
頭を撫でていたイヴァンの手が止まっていた。ふぅふぅと聞こえる浅い息が、ギルベルトから与えられる刺激に集中している事を教えてくれる。イヴァンは出すともイくとも言わなかったけれど、それだけで十分。
「んっ!!」
前触れがわかっていたからこそ、吐き出された精子を口内で受け止めて。断続的に吐き出されるそれを受け止め、少しずつ顔の位置をずらしながら尿道に残ったそれも搾り出すように手を動かす。ただし、最後の一滴まで吸い出す事は出来ないから、それは後。
荒い息を整えながら口内に吐き出された精子を舌に集め、顔を上げればイヴァンが楽しげな顔。上気した頬をそのままに、少し汗ばみ張り付いた前髪もそのままで。また顎を持ち上げられたから、抗う事なく舌を出して見せた。
とろとろした、熱くて粘着力の高い精子。久しぶりのそれ。飲みこみたくて仕方がないけれど、我慢する。
イヴァンは自分の吐き出したそれとギルベルトの表情を交互に見つめた。見つめながら、ひょいと指を伸ばし、精子をギルベルトの舌に擦り付ける。多分味が広がっているだろう、ギルベルトの舌に満遍なく精子を擦り付けて、欲しがりな彼は堪らず。
「んぁ…ん」
指にしゃぶりつく。しゃぶりついて、口淫をするときと同じ、豪快に頭をふって、そのまま精子を飲み込んでいく。
イヴァンが声をあげて笑った。ギルベルトは漸く飲み込み、味わう間もなく最後の一滴を吸い上げるため、また鈴口に唇を当てる。
「ここまでくると、愛されてるなって実感するよ」
悪戯っぽく言ったイヴァンに、ギルベルトはもう鼻を鳴らして意思表示をするだけだった。







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